公務員を目指すみなさん、こんにちは!
第4回目は「志望動機」の考え方と回答のポイントについてお話します。
志望動機は通常、面接の最初に聞かれることが多く、面接試験全般の流れを左右します。したがって、これを確実にクリアできれば、その後の質問もスムーズに流れるとともに、対話のリズムにも乗れます。
また、志望動機から「『公務員』及び各職種の仕事をよく理解しているか」、「受験先の職員にどうしてなりたいのか」、「真に第一志望なのか」など、面接官は受験者の本気度を見極めるのです。
なぜなら、志願動機を偽ったり誇張したりして述べる人がいることや、本当は受験先が第一志望でない受験者が含まれることを、面接官としてよくわかっているからです。
志望動機は面接官に対して、「一緒に仕事をさせてほしい理由」を説明するものであるため、受験者と受験先との関係性について、論理的かつ簡潔に思いを込めて述べる必要があります。よって、回答の中で最も重要であり、時間と労力を要して考えておく項目といえます。
志望動機を考えるにあたっては、次の項目について整理してまとめれば、回答に活かせることができるでしょう。
① なぜ、その受験先の職員になりたいのか?
② その受験先で何をしたいのか?また、どうしてしたいのか?
③ それは受験先でないとできないのか?(民間ではできないのか?)
①の「受験先の職員になりたい理由」が軸ですが、①②③を整理すれば、受験先への思いや熱意が伝わり、説得力のある志望動機になるでしょう。
志望動機において、「地元出身で地元が好きだから」「地元に恩返しがしたい」などと述べる受験者がよくありますが、これだけでは意欲が伺えず回答として不十分です。地元への愛情や親しみは感じられますが、「民間企業でもできますよ?」と聞かれます。
また、「公務員を親に勧められて」「性格が公務員に向いているから」などの志望動機も、同様に「だから何ですか?」「なぜ、その受験先でないといけないの?」と突っ込まれます。
よって、そのことから「何を感じたのか?」「どう思ったのか?」を自問自答して考えておくとともに、「受験先でないとできない理由」をしっかりと固めておいて、問題なく返せる志願理由を用意しておくとよいでしょう。
勿論、「安定している」「福利厚生が充実している」「公務員になれるならどこでもいい」というような考え方や回答はNGですよ。
その他、「住みやすく豊かな生活ができる街にしたい」「安全安心な街づくりがしたい」など、スローガン的で抽象的な志願動機を述べる受験者も見受けられます。パンフレットなどからの引用と思われますが、自分なりの表現や言葉で具体的に述べる着意が必要です。
そのためには、受験先の特性や魅力、力を入れているプロジェクトなどについて、広報誌やホームページなどから情報収集するとともに、自ら研究して自分の言葉で回答できるようにまとめておくことが大切です。最近、「ホームページを見てきたと思いますが、あなたが特に関心を持ったのは何ですか?」という質問をする自治体もありますよ。
また、受験先(自治体)の政策や課題などについては、議員などの立候補者が訴える課題と公約を参考にするのもよいでしょう。ただし、面接で課題や問題点を指摘すると「自治体は何をやっているのか?」「対策案は考えているのか?」と述べているようにも受け取られる可能性があるので表現には注意を要します。なぜなら、面接官は自治体の職員(長)だからです。
公務員試験の場合、「何のためにその受験先で働きたいのか」「具体的に何をしたいのか」を明確に述べることが重要であり、面接官に「受験先のことをよく理解している」「受験先の職員として適している」と思ってもらえるかどうかがポイントです。
すでに面接練習を積極的に行なっている受験予定者もいると思いますが、目標は噛まずにスラスラと回答できることではありません。自分の思ったことや考えを自分の言葉で堂々と落ち着いて話せるようになることです。
本番で緊張しすぎて、頭が真っ白になったり、うろたえることがないように、1次試験準備と並行して、早めに面接練習を始めておきましょう。
次回は「自己PR」と「長所・短所」の考え方と回答のポイントについてです。
お楽しみに!
☆★松元 剛一(まつもと こういち)先生★☆ プロフィール
***鹿児島生まれ。国家公務員定年退職後、公務員採用試験面接官としてのキャリアと国家資格「キャリアコンサルタント(JCDA会員)」の知識と経験を活かし、全学生、全講座受講生の面接指導を行い各種公務員試験合格に寄与している。
★長所:好奇心旺盛 ★趣味:ゴルフとマジック(地域のボランティア活動)
★特技:利きウーロン茶(銘柄) ★頑張ったこと:カヌー競技(国体参加)